アーツアンドクラフツの仕事 1

Ring Planner

つくり手

お客さまと一緒にリングをつくる

多田真梨子(入社3年目/アトリエ主任)
平島郁美(入社1年目/つくり手)

私たちにとって「お客様とリングをつくること」とは

平島
はじめはオーダーメイドでリングをつくるということが、どういう感じか?よくわからなかったので、お客様の気に入りを探すということを「している」というより、自分が一緒に探す、という状況でした。 最近は、お客様とリングをつくる、という導きになってきていると思います。
多田
私は、初めてのお客様をよく覚えています。槌目の春で…。
当時は吉祥寺の2人しかいない小さなアトリエでした。 その後も式前にサイズ直しのお直しをしました。今もそのお客様に葉書を出しています。 入社当時は、アトリエも吉祥寺しかなく、その場でやってあげることも多くて、例えばこれがピンクゴールドになったらどんな感じですか?と試着サンプルの際にお客様から聞かれて、その場でメッキをかけ直して雰囲気を見せたり、勝手にヘアラインかけて叱られたりとか…笑
その場で何かしら考えたことでお客様に喜ばれたのでいいかな?と。笑
お客様にとっては「私たちここでつくるのね」という感じなってもらえたらいいのかな。 お客様の漠然としたイメージに応えられると、一緒につくれたな、と思います。
平島
私はオーダーシートに幅や厚みやデザインを記入して作成しているときに、一緒につくっているんだな、とよく思います。お話しするなかで、一緒に見つけられた証。 私たちにはその後も作業はありますが…お客様にとっては一生に一度のオーダーになるので。 そのあと試作リングをお客様と確認するときは、初めて形になったものを確認していただくので、緊張します。一番最初のリアクションは気になります。 皆さん、意外とすぐには手に取っていただけなくて「どうぞ」って…笑
多田
納品の時の方が、緊張します。試作のときはニヤニヤしちゃいますね。出来ましたよ、って。笑
平島
ご納品のときは、ちょっと寂しいです。もう、次にお会いする予定もすぐにはないし、お話しすることもあまりなくなっちゃうなって。 人生の中で大きなライフイベントである結婚、という大切な場面でのリングを私と選んでいただけるということがまずありがたいと思いますし、その時間を一緒に過ごせたことが嬉しい。反面ご納品は少し寂しいです。
多田
すごくいいこと言われちゃった。笑
数ある中から、ithを選んできていただいて、たまたまというか、私が接客するということもご縁だなと感じます。ご納品の時はやっぱり、その後お会いできないことが寂しい。ふと「あのお二人はどうしているかな?」と思うこともあります。私の名前をお二人のイニシャルと一緒に内側にThanks Tadaの意味を込めて刻印に入れてくださったお客様がいて、元気にしているかな、と思います。私もお二人と一緒にいます。笑

お客様との時間

多田
お客様とお気に入りを探すときには、お二人の歩んできた道程、思い出やエピソードを振り返っていきます。
平島
どんな方なのか?と考えながら、お二人のやり取りやどんなところで笑ってくださるのかな?とか、一緒につくるその場の空気感が好きです。
多田
どこがツボなのか、というところを会話の中で探しながらお話しします。リングについてのポエティックな部分が好きなのか?どうやってつくっているか、制作や加工の仕方に興味があるのか?ということをお話したり聞きたりして、時間を過ごすので、だんだんと空気感がつくられていくという感じがあると思います。

成長するということ

多田
私は前職では制作だけの仕事をしていたので、接客をする難しさを学びました。お客様にリングのことを一から説明していくのは大変だな、と。以前はサイズ直しってなんでこんなに多いのか?と思うこともあったけれど、いまは、お客様それぞれ、ライフステージの変化や、体調など様々な理由があることがわかりました。
平島
私は人と関わる仕事という意味ではかわりがないのですが、ithではお客様のために、お気に入りのリングをつくるということが、結果として自分が出来ることとして反映されます。自分の中で仕事への価値観や考え方が変化したと思います。

私たちのおもい

平島
お客様にお会いするときには、ここで一緒にお気に入りのリングがつくれますように、という気持ちでお迎えします。その方達が好き、という気持ちでいます。お客様に同じリングを紹介しても、つくり手によって話し方や生み出されるその場の雰囲気に違いが出ると思うのですよね。常に暖かい気持ちでいることを心がけています。
多田
私はそんなに口数も多くない方なので淡々と…となるのですが。お客様の言葉を聴き逃さないように、どちらかというと聞いてみて、そのお客様が手に取るもの、気になっていそうなことをお話して会話を広げていくという感じです。
平島
もし、お客様に街中で会ったらわかると思います。
多田
あ、私、偶然会いましたよ、わかると思います。笑

会社の面白いところ

多田
会社の中にいろんな仕事をしている人がいるところ。制作、web、コンサルタント。はじめは、何だろうな?という感覚でしたけれど。笑
すごく刺激的だと思います。
平島
自由だなって思います。時間の使い方や、会社で集まるときも、押し付けられることがない。はじめは、ほわほわしていて、やっていけるかな?と心配もありました。笑
多田
やらなきゃいけないこともあるけど、確かにほわほわしているところもある。笑
だけど自分で考えて仕事をしないといけない。考えだしたらたくさんやることはあるし。接客自体も独特だと思う。
平島
はじめは何もわからなかったけれど、だんだんわかってきました。プロセスとか先輩の姿を見て…1人でやるのではなくて、いろんな人といろいろなことを交えながら仕事をしている感覚です。

大切にしていること

平島
感謝と愛情。お客様へのありがとうございますという気持ち。自分がいっぱいいっぱいだったりすると、つい忘れがちになってしまったり、当たり前すぎてしまうところがあるけれど、常に忘れないようにしています。
多田
考えること。お客様に関しても、いらっしゃる前の情報を確認して事前に考えたり、お会いしたときにも一緒に考えたり。相手のことを思って熱心に考えられないと難しいですね。マニュアルがあって、これやって次にこうしてということだけではないので。
平島
マニュアルがないっていうのが、楽しい!ていうところでもありますね。
多田
ある意味、難しい。自分で考えられる、というのがいいですね。

たくさんよりもひとつを大切に

平島
blogを書くときは、その方たちとの出来事を綴っていくので、そのときに感じます。
多田
いつでも意識して考えながら、お客様と接しています。

先輩として

平島
はじめは緊張もするし、怖がってしまうことも多くあると思うけれど、そういう気持ちは相手に伝わってしまうので、自信を持って仕事をして欲しい。失敗することも自信を持って失敗した方がいい。
多田
自信を持って失敗するのは、ちょっと違うんじゃない?笑
怖がらないでたくさん失敗して、たくさん学んで、お客様にまっすぐ向き合っていければいいと思います。